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【後編】女性のポジティブな想いに寄り添う「PEACH JOHN」。 時代に合った、新しい取り組みでブランドの存在感を高める

1994年に設立され、2008年からワコールホールディングスの一員となった「PEACH JOHN」
「元気・ハッピィ・セクシー」をテーマに掲げ、ポジティブに生きる女性たちから幅広く支持されてきました。
2019年には、カタログの休刊や店舗の一部閉店という変革を経験。近年では話題性のあるタレントを起用した
プロモーションやコラボレーション、「リアルサイズモデル™」といった新たな取り組みが注目されています。
今なお大きな変化の過程にあると語る執行役員の3人。
後編では、新たなプロジェクトの経緯と、そこから得ている手応えについてインタビューしました。
多様化の時代に、「PEACH JOHN」の目指す姿とはー。

前編はコチラ
  • 古賀幸枝Yukie Koga

    2005年入社 
    執行役員 商品部長
    商品のデザイン、品質管理、仕入れなど、商品づくり全般を統括

  • 加藤知枝Tomoe Kato

    1997年入社
    執行役員 ストア部長
    全国の店舗事業の責任者。出店計画、販売戦略、人材育成など、店舗運営全般を統括。

  • 伊吹ライラLyra Eve

    2006年入社 
    執行役員 クリエイティブ部長
    ビジュアル素材、コンテンツ制作、キャスティング等プロモーションプランを統括。

「こうなれる」というイメージをわかりやすく

—2019年発売の『ナイスバディブラ』の商品とプロモーションの戦略について教えてください。

古賀:「PEACH JOHN」はもともと『盛りブラ』と呼ばれる、バストを盛るタイプのブラジャーが人気でしたが、2019年の少し前あたりから、“バストを盛る”ことと“着用した時のラクさ”を融合したブラジャーが求められていると感じていました。そんな背景がある中で誕生したのが『ナイスバディブラ』です。商品名は覚えやすいキャッチーなネーミングにしたいという想いがあって、「ナイスバディ」という言葉を使いました。すると、発売直後から欠品するほどの好評をいただきました。「着用感はラクなのに、着けるだけでボディのシルエットにメリハリが出て、もっと自信が持てるようになった」、「ファッションをより楽しめるようになった」など、その後もポジティブな口コミがお客さまによって広がり、現在ではブランドNo.1のヒットブラになりました。

ナイスバディブラ.jpg

伊吹:『ナイスバディブラ』は、提供価値が非常にわかりやすい商品なんです。着用せずとも名前だけで「メリハリボディを叶える」ということが、お客さまにとって想像しやすかったことが、購入につながったのではないかと感じています。また、『ナイスバディブラ』はキャンペーン商品として、新しいカラーやデザインをシーズンごとに発売し、その度に店頭やWEB、SNSなど全チャネルにおいての打ち出しに力を入れてきましたので、お客さまが目にする機会も多かったのではないでしょうか。その甲斐あって、今では「PEACH JOHN=ナイスバディブラ」という認識が広まってくれていると感じています。

「リアルサイズモデル™オーディション」には1,200人以上が応募

—下着モデルを一般公募する「リアルサイズモデル™」のプロジェクトは、画期的な試みですね。

伊吹:このプロジェクトは、若手従業員から出たアイデアが実現した企画で、2019年にスタートしました。「ありのままの姿で輝いている人が美しい」という考え方が広がっていく現代に、「PEACH JOHN」としても自分磨きを頑張っている人や、自分らしくキラキラ輝いている人が美しいということを発信していきたいという想いがありました。また、ECサイトへの移行で、体型ごとのリアルなフィッティング感や、着用したらどうなるのかということを、“自分ゴト化”できるモデルが必要だとも感じていました。

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―どんな方が応募されているのですか?

伊吹:今まで3回ほどオーディションを行ってきましたが、一番多い時で1,200人以上の方にご応募いただきました。応募してくださるのは、自分を表現したいという方が多いですね。私たちとしては、「元気、ハッピィ、セクシー」を一緒に表現できて、発信できる方を基準に選考しています。現在約10人のメンバーに「リアルサイズモデル™」としてご参加いただいています。

―お客さまからの反響は?

伊吹:「すごく元気をもらいました」といったコメントを、たくさんいただいています。どんな体型でも、自信をもって発信することは素敵ですよね。そういったことに共感される方が増えているなと実感しています。

コラボレーションは、熱い想いを一緒に語れる人と

―タレントのバービーさんとのコラボレーションも注目されています。このコラボが実現した経緯を教えてください。

古賀:実はバービーさんご本人から「ブラジャーを作りたいんですけど、一緒にやりませんか」というお話をいただいたのがきっかけなんです。お話を伺うと、ブラジャーに関してバービーさんご本人の悩みがおありで、それを解決することで「みんなの役に立ちたい、体型やブラのサイズが違っても、誰でも可愛いデザインのブラジャーをつけたい」という明確なコンセプトをお持ちでした。それを聞いて「一緒にやりましょう!」とその場で即答しました。

―社内での反応やお客さまの反応は?

加藤:まだその頃、日本では「ボディ・ポジティブ」は浸透していませんでしたから、「PEACH JOHN」としてもこの考え方を広めていきたいと思っていました。そこにバービーさんからお話をいただいて、とてもよいタイミングでご一緒できたと感じています。これまで「PEACH JOHN」で買われたことがないお客さまにも、「サイズ展開が豊富にある」と認識していただけるよい機会となりました。

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—そのほかにも、「ミューズ」の起用や、話題性のある人やキャラクターなどとも多数コラボレーションしています。

伊吹:その時代、時代で輝いている方に年間の「ミューズ」になっていただいています。2023年は藤田ニコルさんをお迎えしています。

加藤:「ミューズ」はブランドの代弁者。「PEACH JOHN」や商品に対する熱い想いがあって、周囲を明るくするようなハッピィなオーラがある方は誰なのか、常に考えるようにしています。また、特にコラボレーションに関しては、その方の商品に対する熱量が大切だと思っています。

古賀:コラボレーションについては、今後も「PEACH JOHN」とのコラボを喜んでくださる熱いファンがいらっしゃる方やキャラクターと取り組みたいですね。

女性の気持ちを理解して、応援する姿勢でチャレンジし続ける

—店舗ではお客さまに伝えたい価値やメッセージをどのように表現していますか?

加藤:ブランドの世界観を表現するため、店舗の内装はもちろん、商品のディスプレイや見せ方、スタッフのドレスコードや立ち振る舞いまで、ブランドを体現できるようにストア部の方針として掲げています。なかでも重視しているのが接客です。お客さまのニーズをくみ取った上で、商品の魅力をブランドの代表として伝えられるように、社内研修を実施し、提案力を磨いています。

―店頭で大切にしていることは?

加藤:ランジェリーは肌の一番近くで身に着けるものなので、ストアスタッフはお客さまの気持ちに寄り添って、ブランドや商品を通じて楽しい気持ち、ハッピィな気持ちになってもらいたいという想いを持って、店頭に立つようにしています。

—現状の課題、そして今後必要だと考えていることについて教えてください。

古賀:ECでどうやってお客様の購買意欲を高める訴求ができるかが課題だと思っています。そのためには、メンバーがチャレンジしやすい風土を、私たち管理職が積極的につくっていかなければいけないと考えています。

伊吹:みんなで一緒に打開策を考えていきたいです。従業員一人ひとりが一生懸命、チャレンジしてくれているので、例えば失敗してもそれを糧にして、無駄にしないで次につなげる。逆に成功したらそれは自分たちの武器となる。そうやって自信につなげていきたいです。

加藤:好みが多様化して、細やかな対応が求められる時代です。ECサイトの限られたなかで「PEACH JOHN」の何をどのように表現するのが、今やこれからのお客さまのニーズにフィットし、心動かすことができるのかを常に考えなくてはなりません。自分たちの信念を貫き通しつつ、お客さまの気持ちを理解した上で変化に対応していくこと。これが女性を応援する「PEACH JOHN」として、これから非常に重要なのではないかと感じています。

おわり